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平成23年8月30日火曜日

「Soul of the Ultimate Nation」が大きく生まれ変わる大型アップデート「エピソードII」。運営チームと開発元が語るその魅力

韓国のWEBZENが開発し,ゲームオンがサービスしているMMORPG「Soul of the Ultimate Nation」(以下,SUN)で,本作が大きく生まれ変わる大型アップデート「エピソードII」が 7月中に実装される。エピソードIIの実装では,SUNのゲームシステムに大幅な変更が加えられるため,正式実装を前に公開テストが2011年4月に行わ れた。あまりにも変更点が多かったせいか,テストに参加したプレイヤーからは厳しい意見が多く,それらをもとにゲームオンとWEBZENが話し合い,アッ プデート内容を再考したという。そもそも運営中のタイトルに,なぜそこまで大きな変革を求めたのか。また,公開テスト後にはどんな意見が寄せられ,それら をどのように活かしているのかなどを,運営アシスタントプロデューサーであるゲームオンの稲垣順太氏と,開発プロデューサーであるWEBZEN SUN Studioのチョン・マンソン氏に聞いてみた。


「Soul of the Ultimate Nation」公式サイト



多くのプレイヤーが楽しめるようにシステムを再構築


「SUN」は2008年に日本でのサービスが始まり,今年で3周年を迎えた。MOとMMOの両方の要素を組み合わせたシステムなどが受け,日本に限らず韓国や中国などでも高い評価を得ている。

本作の開発プロデューサーを務めるマンソン氏は,本作が成功した理由として,「グラフィックスのスタイリッシュさ」と「快感が味わえるアクション性」を 挙げた。もちろん100点満点というわけではなく,育成の自由度が高すぎるために戸惑ってしまうプレイヤーがいることや,コミュニティ要素が不足している ことなどを欠点として指摘した。
そして,そういった欠点をなくし,さらに多くの人がもっと楽しく快適にプレイできるゲームに仕上げるために,根本的なところから作り変えるのがエピソー ドIIであるという。アップデート実装以降は「高レベルになるまではクエストを中心に流れに乗ってプレイして,高レベルに達してからは,戦略性の高いコン テンツが楽しめる」(マンソン氏)ようになるという。

WEBZEN SUN Studioのチョン・マンソン氏
ゲームオンの稲垣順太氏

まずはそんなエピソードIIの概要を紹介しよう。大きなトピックとしては「新大陸」の追加,スキルシステムのリニューアル,「ソケットシステム」などが挙げられる。新大陸は砂漠や熱帯雨林などが多い地域で,いままでの大陸とは雰囲気がまったく異なるという。またそこで,今までプレイヤーの味方であった「イグニス」との戦いが始まるのだ。

スキルシステムは,“スキルポイント”と“熟練度”の2種類のポイントを分配して習得する仕組みから,シンプルなスキルツリー方式に変わる。スキル習得 の方法が根本的に刷新されるため,エピソードII実装後に,全プレイヤーキャラクターのスキルが一旦リセットされ,ポイントを振り直すことになるのだ。

ソケットシステムは,属性の効果が従来よりも大きく上がるようになり,駆け引きの要素がアップする。これに伴い,ソケットにセットするための「ザード」 を不要なアイテムから生成できる「キューブシステム」や,移動速度アップなどのバフ効果を選べるようになる「カスタムパッシブシステム」が実装される予定 だ。こういったシステムが実装されることにより,「これまでは武器やスキルによってキャラクターの強弱が決まっていたが,これからは属性による相性の要素 が強くなる」さらに,「何度もGvGで戦っていくうちに『このギルドが相手なら,こういった属性で攻めよう』といった読み合いの要素が加わり,いままで以 上に楽しめる」と稲垣氏は,その魅力を語った。
マンソン氏も「今回のシステムでは,ソケットにどういったザードを組み込むかによって戦法やキャラクターの強さが大きく変わります。“新しく追加したも の”と“リニューアルしたもの”を1つのセットとして組み立てていけば,さまざまな戦術が楽しめるでしょう」と,見どころを強調した。

さらに今後の方向性についてマンソン氏は,「高レベルに達するまでは,流れに乗っていろいろなシステムを楽しめる」というコンセプトを踏襲しつつ,「よ り多くのプレイヤーがSUNを楽しめるようにしたい」と述べ,ゲーム内のコミュニケーションシステムの強化をその具体例として挙げた。また,新規コンテン ツのほかにも,GvGのバランス調整といった,既存コンテンツの見直しも検討しているそうだ。


日本プレイヤーの要望を取り入れた改善を実施


エピソードIIは,韓国で2011年2月に実装された。しかし,システムを大規模に刷新したことにより,韓国人プレイヤーからは否定的な意見が多かったそうだ。
マンソン氏によると,高レベルプレイヤーからは「現在のSUNの楽しさが失われてしまう」といった反応が多かったそうで,エピソードIIの実装直後にSUNをやめてしまった人がかなりいたという。
しかしその混乱は次第に落ち着き,一度はプレイをやめた人も復帰。新規プレイヤーも増え,最終的にはアップデート前よりも全体のプレイヤー数は増加した。
なかには引退時にエリート装備(いわゆるレア装備)を手放し,あとでプレイを再開して「どうしてエリート装備を売ってしまったんだ」と後悔している人もいるという。


韓国ではなんとか受け入れられたエピソードIIだったが,ゲームオンではそのまま実装することを選択せず,2011年4月に韓国版と同じものをプレイヤーに試してもらい,意見を集めた。
日本人プレイヤーから寄せられた意見の多くは,バランスを調整するために性能を落としたエリート装備と,スキルツリー制導入にともなって削除されたスキ ルに対する不満だ。どちらも全体のバランスを取るために調整された項目だったのが,こういった意見を受けたゲームオンとWEBZENは仕様を再度見直し た。現在実施されている公開テストのバージョンでは,これらの内容が調整されている。

開発者としてゲームの未来を考えて行った変更だったため,「要望をそのまま反映するとゲームが簡単になりすぎてしまうと思いました。ですが,お客さんが 『口に合わない』と言うのであれば,いくら高い材料を使った料理でも,それは美味しくないものだと思います。したがって日本の皆さんの口に合うように作る のがベストであると考えて,今回の調整を実施しました」といった葛藤ののちに,実装に至ったとのこと。

公開テストを行い,その反応をゲームに反映するというのは,おそらくかなりの手間だ。数年前であれば韓国と同じバージョンがそのまま実装されていた可能 性が高い。だが,ゲームオンとWEBZENは付き合いが長く,信頼関係が構築されているために,そういった対応が可能だったそうだ。

稲垣氏はスタートからSUNに携わってきているだけにプレイヤーの気持ちが分かり,韓国版をそのまま実装することはどうしても避けたかったという。そんな稲垣氏の思いもあり,エピソードIIには日本人プレイヤー向けにアレンジが加えられている。稲垣氏は,運営とプレイヤーとの距離をさらに近づけたいという気持ちが強く,こういった対応はその表れといえるだろう。

なお,このアレンジが加えられたバージョンは,韓国版にも実装されており,好評を得ているという。つまりゲームオンがまとめた日本人プレイヤーの要望を 反映したものが,韓国人プレイヤーにも受け入れられているわけだ。そして,マンソン氏と稲垣氏の二人とも「実際に遊んでもらえれば,その面白さが分かって もらえる」と自信をのぞかせていた。また,ゲームの導入部分がこれまで以上に易しくなっており,ゲームシステムに慣れやすくなっているという。
もちろん,最終判断は各プレイヤーに委ねられるが,両名が言う通り,遊んでみないことにはなにも分からない。まずは公開テストに参加して,新しく生まれ変わったというSUNを,ひと足先に体験してみよう。

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